◇内田修ジャズコレクション展示室 収蔵品展2025「夏展示」
展示期間:2025年6月5日(木)~9月2日(火)予定
ただいまの展示
◇内田修ジャズコレクション展示室 収蔵品展2025「夏展示」
展示期間:2025年6月5日(木)~9月2日(火)予定
ジャズ・クラブ、これは現在でいうライブ・ハウスのような場所を意味します。今回はその中から、特に1950~60年代頃のジャズを支え、名演・名盤を残す場となったニューヨークの名門ジャズ・クラブでの録音盤を紹介。テーマ展示1では、「ヴィレッジ・ヴァンガード」「バードランド」「ヴィレッジ・ゲート」「スウィート・ベイジル」等々、数ある中からジャズ・クラブごとの録音盤を試聴展示します。
今回の夏展示では「バードランド」での名演・名盤を紹介します。
■バードランド/Birdland
1949 年12 月、ニューヨーク・ブロードウェイに開店したジャズ・クラブ「バードランド」。別名「世界のジャズ・コーナー」とも呼ばれたこのジャズ・クラブは、経営者アーヴィング・レヴィ、実質的な経営をしていた弟モリス・レヴィ、そして現場の総指揮をとっていたオスカー・グッドスタインによって共同経営されました。
1964 年頃までの約15 年間にわたり、ビ・バップからモダン・ジャズ黄金時代の拠点として重要な場となり続け、アート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズ、店名の由来となるバードのあだ名を持つモダン・ジャズの巨匠チャーリー・パーカーをはじめ名だたるミュージシャンたちが出演し名演・名盤と呼ばれる演奏記録が数多く残されました。
2025年に生誕100年を迎える1925年生まれのジャズミュージシャンを順に紹介します。今回は、「ヴァーチュオーソ」「鍵盤の皇帝」などの異名を持つピアニスト、オスカー・ピーターソンを取り上げます。
出身地カナダでの初期の録音となるカナダRCA へ残された音源から、アメリカに移りVerve やMercury 傍系レーベルのLIMELIGHT、そしてMPS やPablo、これら各レーベルに残された演奏を、試聴器では録音年順に紹介。各年代での編成やメンバーの変化、演奏の変化をお楽しみいただけます。またラウンジ展示では、オスカー・ピーターソンの生涯を辿るように、レコードやCD のジャケットを発表順にエピソードとともにご覧いただけます。
■オスカー・ピーターソン/Oscar Peterson piano
1925年8月15日 – 2007年12月23日 カナダ・モントリオール出身
幼い頃から父や姉からピアノの手ほどきを受け、14歳の時にアマチュアのコンテスト優勝、モントリオールを中心に活動を始めます。1945年にカナダRCAと契約しレコード・デビュー。更に1949年、ノーマン・グランツの誘いでアメリカへ。アメリカ・デビューをカーネギーホールで飾り、その際、長年の演奏パートナーとなるレイ・ブラウン(b)と繰り広げたそのデュオ演奏は聴衆を大きく驚かせました。
グランツによるレーベルVerveやPabloには特に多くの作品を残しており、バーニー・ケッセル(g)そしてハーブ・エリス(g)と、レイ・ブラウン(b)によるドラムレスのトリオや、黄金トリオとされるレイ・ブラウン(b)、エド・シグペン(ds)との通称「ザ・トリオ」は特に有名です。またトリオ編成だけでなく、ソロやカルテット、オーケストラとの共演やスター同士でのセッションなど、様々な形態での演奏など多くの好盤を残しました。
しかし、1993年に脳溢血で倒れると一線を退き療養に専念、幸いにも回復し演奏活動にも復帰しますが、2007年、故郷カナダにてその生涯を終えました。