◇内田修ジャズコレクション展示室 収蔵品展2024「冬展示」
展示期間:2024年12月5日(木)~2024年3月10日(月)予定
ただいまの展示
◇内田修ジャズコレクション展示室 収蔵品展2024「冬展示」
展示期間:2024年12月5日(木)~2024年3月10日(月)予定
ニューポート、モントルー、コンコード、モントレー、ベルリン、――世界各国で開催され、そして今なお続くジャズ・フェスティバル。その中で繰り広げられた名演は、ステージの熱気を詰め込んで実況録音盤としてレコード化・CD 化されてきました。
こちらでは所蔵レコードの中から、それぞれの「当日」を記録した名盤・名演を紹介します。ジャズ・フェスティバルでの演奏だからこそのミュージシャンたちの高揚感、緊張感、見え隠れする人柄。スタジオ録音とは異なる魅力の詰まった一枚をぜひお聴きください。
今回第三弾として紹介するのは「モントルー・ジャズ・フェスティバル」です。
■モントルー・ジャズ・フェスティバル/Montreux Jazz Festival
1967 年から始まった「モントルー・ジャズ・フェスティバル」は、スイス・モントルーのレマン湖畔で行われる、世界最大級の音楽イベントです。
市の観光局出身のクロード・ノブスによってスタートしたこの催しは、元々は地元のミュージシャン中心に3 日間のジャズだけの音楽イベントとして開催されました。年々出演者も音楽ジャンルも広くなり、1974 年の開催では「ブルースの4日間」と「ジャズの6日間」による10 日間のプログラム、1979 年にはレゲェ、1980 年にはブラジル音楽が加わるなど、現在ではジャズ、ポップ、ロック、ブルース、ソウル…等々、幅広い音楽ジャンルのフェスティバルとなっています。約二週間の開催期間中には世界中から毎年25 万人以上の音楽ファンが集まり、愛好家には欠かせないイベントとなっています。
2024 年の第58 回 モントルー・ジャズ・フェスティバルは7 月5 日~20 日に開催され、また日本では信念を継いで名を冠した「モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン2024」が12 月6 日~ 8 日に開催。ハービー・ハンコックをはじめ、菅野よう子、馬場智章、そして小曽根真トリオとしてJazz の街岡崎アンバサダーの小川晋平さんも出演します。
今年で生誕100 年を迎える女性ヴォーカリストにフォーカスし、紹介します。こちらの試聴コーナーではレコードを中心に試聴展示としてその歌声を、そしてラウンジスペースでは華やかなレコードジャケットをご覧いただけます。100 年前に生まれ、歌い続け、こうして今日まで残されてきたヴォーカリストたちの歌声をぜひお聴きください。
※試聴器5-6 では、オランダを代表するピアニストであり、リタ・ライスの夫でもあるピム・ヤコブスのアルバムをCDで紹介。リタと多くの共演盤を残しているピムのトリオ演奏をお聴きいただけます。
■リタ・ライス/Rita Reys
1924 年12 月21 日 – 2013 年7 月28 日 オランダ・ロッテルダム出身
音楽一家に育ったリタは、父のすすめで16 歳の頃に歌手としてスタート。ピエ・ヴァン・ダイクのグループや、レックス・ヴァン・ショールのオーケストラなどで活動します。そんな中ポピュラー歌手であったリタの素質を見抜き、ジャズを歌うように勧めたのがこのオーケストラのドラマーで後に夫となるヴェッセル・イルケン(1923-1957)でした。
1955 ~ 56 年には初めてアメリカへ渡り、「バードランド」で歌唱。好評を博し、結成直後のアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズとの共演の機会にも恵まれます。この時に録音されたのが、リタ最上のアルバムと言われる『THE COOL VOICE OF RITA REYS』です。
渡米から多くのベテランミュージシャンと共演しつつ、夫イルケンの死後はオランダ中心の活動に。”Europe’s First Lady of Jazz(ヨーロッパにおけるジャズのファースト・レディ)”とも称され、1960 年にはオランダの人気ピアニスト、ピム・ヤコブスと二度目の結婚。ピムのトリオとは数多くの共演作品を残し、オランダ・ボーカル界の重鎮として活躍しました。