ただいまの展示

▼収蔵品展示No.17「生誕100年 ノーマン・グランツが残したもの」
展示期間:平成30年7月1日(日)~9月30日(日)
※最終日 9月30日(日) は、展示替え作業のため18:00に閉館予定です。
※途中、一部展示入れ替えあり。

 今回の収蔵品展示No.17では、今年8月で生誕100年を迎えるノーマン・グランツ(1918~2001)を特集します。
 グランツと言えばジャズ界最大のプロデューサーといっても過言ではありません。学生時代からジャズに熱を上げ、興業の才もあったグランツは、限られた場所でしかきけなかったジャム・セッションをより身近でポピュラーなものに仕立てたJ.A.T.P.(ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック)を企画し、アメリカ、ヨーロッパはもとより日本でもツアーを敢行してジャズの一大旋風を巻き起こしました。また自ら立ち上げたレコード会社ヴァーヴ(Verve)を、現代までも続く世界的なブランド・レーベルに育て上げ、1940年代から50年代にかけてのモダン・ジャズ興隆期に決定的な役割を果たしました。
 一時期引退していた時代もありましたが、1970年代にはパブロ・レーベルを創設し、かつて活動をともにしたミュージシャンたちを起用してのアルバム制作やフェスティバルを再開。改めてその存在感を示しました。
 モダン・ジャズに魅せられ、そのために人生を捧げたノーマン・グランツ。彼と関わったミュージシャンは数知れませんが、黒人差別の厳しかった時代に、白人黒人混成の興業ツアーであるJ.A.T.P.を企画し、人種差別を取り払った、アメリカ発の優れた音楽として、ジャズを世界中に発信した功績は計り知れません。
 今回は彼の生誕100年を記念して、内田修ジャズコレクションから、彼が関わった所蔵SPレコード音源やJ.A.T.P.のライブ音盤を中心に紹介します。

試聴器

◆CD・レコード
 大手マーキュリー傘下で始めたクレフ、「ハイファイ録音」を謳ったノーグラン、一大レーベルに育ったヴァーヴ、カムバックを期したパブロなど、数々のレーベルを興してきたノーマン・グランツ。彼の名前がクレジットされたアルバムの音源を紹介します(一部途中入替あり)。※SPレコードなど古い音源には一部お聴き苦しい箇所があります。

試聴器4◆プライベート・テープ「日本のジャムセッション」
 ヤマハ・ジャズ・クラブでは、終了間際になると出演者が次々と入れ替わるように登場し、その日限りのジャムセッションが繰り広げられていました。レコーディングやホールツアーではあり得ないような共演は、今でも伝説のようにファンの間で語り継がれています。ジャムセッションを売り物にしたともいえるJ.A.T.P.の今回の展示紹介に合わせ、プライベートテープの音源からも数々のジャムセッションをお聴きいただきます。

試聴器6◆八田裕介コレクション(CD)「Verveの歌姫たち」
 岡崎市在住で、女性ジャズボーカルに特化してレコードやCDを収集していた故八田裕介氏。ご遺族から寄贈された膨大な資料を活用すべく、試聴器ではCDアルバムを展示します。今回は、グランツ生誕100年に伴い、Verveレーベルで活躍した女性ボーカルを前後半に分けて紹介します。

中央展示

◆内田修ジャズコレクション・八田裕介コレクション レコードジャケット
「グランツ・プロデュース×デヴィッド・ストーン・マーチン」

 中央展示では、グランツと親交の深かった画家デヴィッド・ストーン・マーチンが手掛けたジャケットを紹介します。

 ――デヴィッド・ストーン・マーチン DAVID STONE MARTIN(1913~1992)
 本名デヴィッド・リビングストーン・マーチン。イリノイ州シカゴ出身。
 美術学校卒業後、ニューディール政策による芸術プログラムに参加し、当時の社会主義リアリズムを体現する画家ベン・シャーンと深く親交を結びました。1944年、親友のジャズピアニスト、メリー・ルー・ウィリアムスの推薦を受けて、アッシュ・レーベルのアルバムをデザインしたのを皮切りに、ノーマン・グランツのレーベル「クレフ」「ノーグラン」「ヴァーヴ」で数多くのアルバムを手掛けました。
 小規模レーベルの財政的な理由から、絵筆とペン先、インクといった簡易な道具を使っていたが、それがかえって柔軟で微妙、しかもジャズらしい刺激的な「ライン」となり、独特のスタイルを形成していきました。特にグランツがプロデュースしたライブレコーディングのシリーズ「ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック(J.A.T.P.)」のトランペット・ロゴは有名です。
 ジャズ以外の分野でもさまざまなデザインを手がけたが、彼が最も愛したのはジャズアルバムのデザインです。ミュージシャンと個人的な関係を築くことで、音楽への深い洞察と人間性を視覚化したデザインは、ジャズの芸術イメージを高めたといえましょう。

北面展示

◆次回試聴予定「レーベル:Freedom(フリーダム)」
 中央展示では、次回試聴器で展示予定の「レーベル:Freedom(フリーダム)」のジャケットを紹介します。この「フリーダム」レーベルは、収蔵品展示No.15で採り上げたアラン・ベイツが「Black Lion」とは異なる路線を目指しプロデュースしたレーベルです。試聴器には10月1日から展示予定。

書籍その他

◆雑誌・書籍、その他「“ノーマン・グランツ”と“J.A.T.P.”」「1953―J.A.T.P.初来日」
 今展示のキーパーソンである「ノーマン・グランツ」、そして「J.A.T.P.」とは?
 1953年に海外雑誌へ掲載されたインタビューや、各誌面からの人物紹介をもとに、ノーマン・グランツとジャズを辿ります。また、グランツ率いるJ.A.T.P.が初来日した1953年。当時の盛り上がりの様子を、雑誌とレコードでご覧いただけます。公演時の音源は、試聴器にて展示中。

※展示リスト ◆PDFダウンロード
【収蔵品展示No.17 展示リスト】